7.かける順序や組み合わせを工夫して展開

そのまま前から順番に展開すると、計算が複雑になることが多いです。式の形を見て、かける順番や組み合わせについて着目すると簡単に展開できる場合があるので、考えてみましょう!

例題 1: (x + 1)(x2 – x + 1) の展開

この例では、直接掛け合わせるのではなく、かける順序を工夫して展開を行います。

:

  1. まず、 (x + 1) を各項に分配します。
    (x + 1)(x2 – x + 1) = x(x2 – x + 1) + 1(x2 – x + 1)
  2. 次に、それぞれの項を計算します。
    x(x2 – x + 1) = x3 – x2 + x
    1(x2 – x + 1) = x2 – x + 1
  3. 最後に、これらの項をまとめます。
    x3 – x2 + x + x2 – x + 1
    = x3 + 0x2 + 0x + 1
    = x3 + 1

したがって、結果は (x3 + 1) です。

例題 2: (x – 2)(x + 2)(x2 + 4) の展開

この例では、かける順序を工夫して展開します。

:

  1. まず、 (x – 2)(x + 2) を展開します。
    (x – 2)(x + 2) = x2 – 4
  2. 次に、この結果を (x2 + 4) と掛け合わせます。
    (x2 – 4)(x2 + 4)
  3. 展開します。
    x2(x2 + 4) – 4(x2 + 4)
    = x4 + 4x2 – 4x2 – 16
    = x4 – 16

したがって、結果は (x4 – 16) です。

例題 3: (x2 + 3x + 3)(x2 + 3x + 2) の展開

この例では、共通部分に着目して展開します。

:

  1. まず、共通部分 ( x2 + 3x ) に着目します。
    (x2 + 3x + 3)(x2 + 3x + 2) = (x2 + 3x + 3)((x2 + 3x) + 2)
  2. 次に、 (x2 + 3x) を ( y ) と置き換えます。
    y = x2 + 3x
    これにより、式は次のようになります。
    (y + 3)(y + 2)
  3. この式を展開します。
    (y + 3)(y + 2) = y2 + 5y + 6
  4. 最後に、 ( y ) を元の式に戻します。
    (x2 + 3x)2 + 5(x2 + 3x) + 6
    = x4 + 6x3 + 9x2 + 5x2 + 15x + 6
    = x4 + 6x3 + 14x2 + 15x + 6

したがって、結果は ( x4 + 6x3 + 14x2 + 15x + 6 ) です。

まとめ

かける順序や組み合わせを工夫することで、複雑な多項式の展開が楽になります。具体的な手順は以下の通りです。

  1. 共通部分や簡単に展開できる部分を見つける。
  2. 分配法則や置き換えを利用して、簡単な形に変換する。
  3. 各項を計算し、同類項をまとめる。

この方法を使うことで、計算がよりシンプルになり、ミスを減らすことができます。今日もお疲れ様でした!

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